多自由度コロキウム

第一回(6/19)

Swarm Oscillatorsモデルの"Membrane"パターン

6/19(金) 15時00分〜 (2時間程度を予定)

  • 講演者 飯田一輝氏(名古屋大学 D研)
  • 要旨

内部自由度と空間自由度を持つ素子群が相互作用によって構造創発する系は、アリコロニーの最適化、極性分子群の挙動など自然界に多く観られる。 このような系の、ある多重分岐点に着目し、中心多様体縮約によって導出された普遍性の高いモデルがSwarm Oscillatorsモデルである。 このモデルでは、振動素子群が、四つの実パラメータやシステムサイズ、素子数に応じて、様々な時空パターンを形成する。 例えば、三叉状に並ぶもの、階層的クラスターを形成するものなどである。 今回は、それらの中でも特に"Membrane"パターンに着目する。 Membraneパターンでは、ほとんどの素子はダイナミックに変化する膜状に配置し、残った少数の素子がその膜に囲まれるという複雑な挙動を示す。 この複雑な挙動を数理的に解析するのは困難に思われる。 そこで、まず2素子の系を考え、その外挿によってMembraneパターンの形成メカニズムの一端を説明する。 またMembraneパターンは、あるパラメータ範囲内では、安定なリミットサイクル軌道に漸近することがある。 このとき、素子群は同心円上に配置され、対称性の良いパターンを成す。 このパターンを我々は"Section of fruit"と呼んでいる。 Section of Fruitパターンの、非対称な素子間相互作用による形成メカニズムについても説明する。

第二回(10/19)

系のLie対称性に基づいた力学系の漸近挙動の構成方法

10/19(月) 15時00分〜 (2時間程度を予定)

  • 講演者 巌佐正智氏(名古屋大学 D研)
  • 要旨

常微分方程式系における摂動系に対し,素朴に構成した摂動解(正則摂動解)の挙動が,短時間でしか解に合致しないことがある(特異摂動系).そのような解の長時間挙動を捉える様々な手法が考案され,それらは総称して特異摂動法と呼ばれている.本講演では,力学系の持つ対称性(Lie対称性)に基づいて摂動解を構成する,系統的な手続きによる特異摂動法を説明する.この方法は差分方程式系に対しても有効であり,より摂動系以外のクラスの力学系に対しても有用な方法となっている.

第三回(11/9)

無限次元蔵本モデルの安定性と分岐理論

11/9(月) 15時00分〜 (2時間程度を予定)

  • 講演者 千葉逸人氏(九州大学数理学研究院)
  • 要旨

蔵本モデルは同期現象を記述するための最も典型的なモデルの1つとして知られる。 ここでは無限次元蔵本モデルの解の安定性と分岐構造について議論する。 方程式を定常解まわりで線形化して得られる線形作用素は非自己共役かつ連続スペクトルしか持たないが、 これがある超関数空間においてはスペクトル分解(固有超関数展開)可能であることを示す。 これを応用して蔵本モデルの分岐構造を調べる。


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名古屋大学 情報科学研究科 複雑系科学専攻 多自由度システム情報論講座